本文
2023年第36週から2023/2024シーズンの集計を開始しました。2023年第35週までの発生状況は「感染性胃腸炎の流行状況(2022/2023シーズン)」をご覧ください。
感染性胃腸炎は、細菌、ウイルスなどの感染性病原体による嘔吐、下痢を主症状とした感染症の総称です。夏の時期は、腸炎ビブリオ、病原性大腸菌、カンピロバクターなどの細菌が原因となっていることが多く、また、秋から冬の時期は、ノロウイルス、ロタウイルスなどのウイルスが主原因となって流行します。
新型コロナウイルス感染症流行前には患者が冬期に集中しており、年末年始を境に2峰性のピークを示していました。新型コロナウイルス感染症流行後の2020/2021シーズン、2021/2022シーズンは冬期に明確なピークが見られませんでしたが、2022/2023シーズンは、1月から報告が増加し2月にピークを迎えました。
※第18週は大型連休による医療機関の休診日を含んでいます。
県内の感染性胃腸炎の定点当たり報告数は第17週5.70人から第18週3.30人と減少しました。
例年これから夏にかけて報告数が増加する傾向にありますので、次のポイントに注意し感染予防に努めましょう。
(1)調理、食事の前などこまめに液体せっけんと流水での手洗いを励行する。
(2)生や加熱不十分な食肉の喫食は避け、十分に加熱調理する(中心部を75℃以上で1分間以上加熱)。
(3)食肉や魚介類は他の食品と調理器具や容器を分けて調理、保管する(二次汚染の防止)。
(4)食肉や魚介類を取り扱った調理器具等は洗浄・消毒する。
(5)食肉や魚介類を取り扱った後は十分に手を洗ってから他の食品を取り扱う。
(6)調理した食品は長時間室温で放置せず、早めに食べるようにする。
報告がない場合は空欄となっています。
〇 新たに検出された病原体はありません。
感染性胃腸炎に関連する病原体は、通常、冬期は主にノロウイルス、サポウイルス、ロタウイルス等のウイルス性のものが中心で、夏期は細菌性を原因としたものが主となります。
上の図は、2019年以降の県内における感染性胃腸炎の定点当たり患者報告数(折れ線グラフ)および検出ウイルス・細菌(棒グラフ)の推移を示しています。
冬期に検出される病原体のほとんどはウイルス性であり、晩秋から春にかけてはノロウイルスやサポウイルス等が検出されています。一方、夏期はウイルス性病原体の検出数が減少し、カンピロバクターやサルモネラ属菌などの細菌性病原体の検出数が増加しています。